体育の授業を受けていた6月頃から、
全身の皮膚のツッパリを感じるようになってきた。
それに伴うように、sIL-2R(ソリブル)の値も上昇。
去年の苦い体験がデジャブのようによみがえって来るwww
でも、風邪を引いたらムチャはしないと心掛けていたので、肺炎になることだけを注意して様子を見ていた。
本格的に夏になって、皮膚がますます硬くなっていく。
皮膚のGVHDは、全身をカサカサにするだけでなく、汗腺をも完全に塞いでしまってどんなに暑くても頭と胸しか汗が出ない体になってしまった。
‐汗の出ない生活の悩み‐
・体から熱が逃げず火照りやすい。
・簡単に体温が上昇して39℃近くなる。
・頭からは汗が出るので、頭だけビシャビシャになる。 (←オシャレなんてできない)
・熱中症に人一倍なりやすい。
・冬でも汗をかく
本当にふつうの生活もしにくい状態になってきた。
そんな慢性GVHDと格闘している中、
ある出版社の方から書籍への参加のお願いを受けることに!
さい帯血を少しでも多くの方に広めて知ってもらおうとの思いで、
患者さんや専門の先生たちが協力して作り上げた
「さい帯血」のすすめ本。
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『未来へのおくりもの
さい帯血のすべて』
大野典也 監修 実業之日本社 編
(税込み 1,575 円)
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内容は、
・患者さんの体験や先生方の話。(←この部分で参加してます)
・さい帯血とは?
・さい帯血移植について
・さい帯血バンクについて
・さい帯血Q&A
その他にも全国の移植病院の実績や移植の費用について など
今までわかっているつもりで知らなかったことも、この本で知りました(^^;
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皮膚症状は悪くなるばかりで、
ふつうの生活をしていても痛みをともなうようになってきた。
とにかく乾燥が激しいwww見た目もボロボロ。。。
痛みをどうにかできないものかと、皮膚科の先生に相談したところ
ペインクリニック外来をすすめられる。
ペインクリニックとは麻酔科の先生がやっている、痛みを緩和する目的で設けられた科。
主に痛み止めの薬を処方して、症状を和らげる。
結局のところ、薬で散らすだけで副作用の眠気のことを考えると
対処療法としか言えない。
9月になって、いよいよ症状が本格的に。
ひざ裏の関節がかなり硬くなって、曲げたまま伸ばせない状態www
皮膚がつっぱって無理に伸ばすと、皮膚がビリッと破けそうなイメージ。
ついた症状の名前が、強皮症。
これも白斑症と同じように、自己免疫疾患の人に多い症状。
やっつぁんの場合は慢性GVHDからくる強皮症。
見るからに、足をケガしているような歩き方を見て
主治医から積極的な治療をすすめられて、やってみることにした。
治療方法は、全部で3つ。
1.ステロイドを増量して、GVHDを抑え込む。
2.免疫抑制剤を増量して、GVHDを抑え込む。
3.紫外線を照射して、リンパ球の活動を抑え、結果GVHDを抑え込む。
この3つの中で、1・2は単純にGVHDを抑えて症状を和らげる方法。
ただ、主治医はこの2つをやりたくないと言う。
その理由が、皮膚の慢性GVHDは酷い状態だけど、他の臓器などにはとくに何も出ていないので、皮膚の症状だけのために薬を増量すると元の病気を抑える力が弱まるので、やりたくないと言われた。
一番てっとり早いのは上の1・2の方法やけど、
やっぱりGVL効果まで抑えるのは避けたいところ。
ということで、3の紫外線照射療法を受けることにした。
紫外線照射療法(PUVA)
ところで、このPUVA(プバ)という治療法、紫外線を当てるというけど、
移植後は紫外線は極力NGな存在だったような。。。
Q. なぜ、GVHDに対して紫外線??
そもそもGVHD(移植対片宿主病)とは、
ドナーさんのリンパ球が患者さんを敵とみなして攻撃するらしい。
また、自己免疫疾患とは、自分の体の中に自らを敵とみなして攻撃し始めるリンパ球ができた病気のことをいう。
とにかく、このリンパ球の活動が紫外線の力によって、なぜか収まっていくことがわかったみたいで(何故かはわかりません)、免疫系の疾患を抑える時には紫外線をあてて治療する方法があるみたいです。
Q. でも紫外線をあてても大丈夫??
基本的に、移植後の患者さん(自家移植以外)は紫外線はNG!!
急性GVHD期に浴びると重篤なGVHDを引き起こすらしいです。
でも、慢性GVHD期になると少しずつマシになっていくみたいで、ただそれでも紫外線のような強い刺激は、肌にもGVHDにもあまり良くないみたいです。
ただ、この治療で使う紫外線には秘密があって。。。
紫外線の代表格といえば太陽光。
実は太陽光には紫外線の他にもいろんな光が含まれていて、人体にとってあまりいいものが含まれていません。
ところがPUVAで使用する紫外線は、UVの中でも「A波」のみ。
勘のいい人は気付いたかな!? そう、「PUVA」のUVAはUVA波のこと。
「PUVA」=「psoralen ultra violet A」ていうらしいです。
太陽光の中でも日に焼けてただれる原因になるのは、UVB波。
比較的、皮膚に優しいUVAを当てるから、治療法としても使えるそうです。
(注:でもやっぱり皮膚ガンになる恐れはあるみたいです。)
【補足】
免疫抑制剤を飲んでいる時に、紫外線を浴びると発ガン性が高まるそうです。
●入院直前
治療のときに、急に過度な量を使用してヤケドすることを防ぐため
照射量を測るために、外来でパッチテスト。
●皮膚科入院 当日 10/14
いつもの外来のように行って入院。
翌日からさっそく治療開始〜!
治療1時間前にオクソラレンという紫外線の感受性を高める薬を服用。
副作用は、ダルさ、軽い吐き気www
何よりも照射後も8時間サングラスの着用が必要www(T◇T)
紫外線照射は、見たまんま日焼けサロン!!
照射機にサンドイッチされて表裏それぞれわずか30秒で、こんがりと(笑)
(いや、やけてませんからあしからずwww)
これを週5日のペースで行った。
効果はすぐに現れて、皮膚がやわらか〜〜〜い♪♪
久しぶりに感じた人並みのやわらか肌。
こうやってオラ少しずつ人間に戻っていくんだな。。。
ただ、あっというまに、効き目の限界を感じるwww
それにともなって、リハビリも実施!
院内専門のリハビリテーション部で理学療法士の先生に診てもらって
まともに歩けるようにリハビリ三昧。
こちらも週5日と毎日の日課となる。
結局、入院中5週間やってみて。。。
効果はボチボチ。画期的な効果はあげられず退院が決定した。
退院間際には、全身の皮膚のGVHDがまた激しくなり始め、
日常生活してても、手足の刺すような痛みで何もできない時間もある程、
足のまわりには赤い発疹ができて炎症するまでに。
先生に、発疹を起こした足の皮膚の生検をおねがいされて
退院2日前にくるぶしの後ろを生検www
退院当日には、松葉杖をつきながら痛みにもだえながら帰宅した。
そして。。。
5週間も入院して治療したけれど、
けっきょく次の外来で ステロイドの増量が決定した(* * ;)
治療入院もしながら、なんだかまわり道もした気分もあるけど、
きっと無駄な道なんてないはず!すこしずつ前に進んでいこう!
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