さい帯血移植

さい帯血とはお母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒と
お母さんの胎盤からとれるわずかな血液のこと。

この血液から血液疾患の患者さんを救う
新たなる治療法が
さい帯血移植です。

1、さい帯血移植とは

 1-1 はじめに
 1-2 移植のながれ
 1-3 無菌室
 1-4 前処置
 1-5 生着と拒絶
 1-6 白血球と血小板
 1-7 GVHD
 1-8 感染症
 1-9 メリット&デメリット

 1、さい帯血移植とは              



1-1 はじめに


 いま現在、白血病のような血液疾患の治療法は大きく分けて

 抗がん剤治療   骨髄移植 

 の2種類に分けられる。
 まず、抗がん剤(化学療法)での治療を目指し完治すればそれでOK。もし化学療法だけでは完治が望めない高リスクの場合や再発時に骨髄移植がおこなわれることになっている。

 化学療法は抗がん剤を使用するだけなので比較的誰にでも受けることができるが、
 一方、骨髄移植の場合は希望した人のみんながみんな治療を受けれるワケではない

 なんで?(゜ д ゜ )

 骨髄移植を受けるためには、骨髄液を提供してくれるドナーの存在が必要不可欠で、ドナーと血液のHLAという型が一致しなければいけないから。

 このHLAは兄弟間で 1 / 4 の確率で一致する。
 つまり、兄弟がたくさんいればいるほど一致する可能性があがる。やっつぁんの場合は姉がいたけど全くの正反対のHLAのため一致しなかった。
 さらに、親子間で 1 / 1000  、他人では 1 / 数万〜数百万 の確率となる。

 もし家族内で見つからない場合、骨髄バンクで探すことになる。
 骨髄バンクには現在20万人のドナーが登録しており、移植を必要としている患者さんの約8割の人はドナーが見つかる計算になる。
 現在すべての患者さんのドナーが見つかると言われている登録目標数は30万人。目標数に向けて日々活動が行われており、もちろん多ければ多いほどこしたことはない。

 それでも、一致するドナーがいなかったり、コーディネート中に断られてしまったりするなど、ドナーが現れないと、今まではそれ以上の治療には臨めなかった。


 そんな中、医療で新しい可能性が発見されて、さい帯血移植が行われるようになった。

 このさい帯血移植
  骨髄移植と同様の移植法であり、治療効果がある。
  冷凍保存をすることができるため早急な移植治療を行うことができて
  HLAが1・2座不一致でも移植が可能


 という利点があって急速に発展していき、現在では さい帯血バンクも確立して、年間の実施数も骨髄移植にも並ぶほどになってきている。



ここはさい帯血移植のことを少しでもわかっていただけたらと思い作ったページです。



 以降は、さい帯血移植に関する内容をドカンと書いてるよ。


ページTOPへ




1-2 移植のながれ



 さい帯血移植のおおまかなながれを書いてみた!


さい帯血移植 難関10ステップ 


@ まず、移植施設のある病院へ転院すると移植までに全身検査がある

 [心電図・心臓エコー検査・胃カメラ・歯科検診・耳鼻科検診・消化器科検診・皮膚科検診・全身のCT撮影・ガリウムシンチ撮像・呼吸機能検査・尿量測定・便培養]
 とまあ、やることがたくさんある。。。


   Next 


A 移植前前処置を施す。

 これは移植をする際に最も重要な処置である。

 ・致死量に匹敵するぐらいの抗がん剤を投与
 ・TBI(全身放射線治療)を行う

 この移植前の、大量の抗がん剤と放射線全身照射 によって患者本人の造血機能を(白血病細胞もろとも)完全に壊して骨髄をスッカラカンにする。


   Next


Bさい帯血を移植する。

 移植日に、末梢血からの点滴で落として移植をする。
 骨髄が壊れてしまっているため免疫力がないから、新しい造血機能ができるまでの間、感染症予防として無菌室での生活が強いられる。
 抗がん剤や放射線の副作用に悩まされるのはこの頃から〜


   Next


Cさい帯血が生着する。

 前処置で完全に造血機能を失った患者の骨髄に、およそ2、30日という時間をゆっくりかけて移植された造血幹細胞(さい帯血)がなじんで血球が回復することを生着と言う。


   Next


D血球が標準値まで回復する。

 移植後、およそ5、60日で血球がある程度回復してくると、特に重篤な急性GVHDなどの臓器障害がない場合は無菌室から準無菌室への移動が認められる。


   Next


EGVHD

 移植をすると、やはり他人のものが患者さんの体に入ってくるため、血球による 拒絶反応が起こる。
 このドナー(さい帯血)の血液細胞が、もともとあった患者の血液細胞や体を攻撃する拒絶反応のことをGVHDという。GVHDには100日以内に出る急性GVHDと100日以降に出る慢性GVHDがある。急性の症状としては皮膚・肝・消化官の臓器障害が起こる。慢性では皮膚・肝・消化官に加えて、分泌腺・肺などにも障害が起こることがある。

このGVHDの力が強ければ強いほど拒絶反応が強く出て、白血病細胞をやっつける力も強くなる。


   Next

F感染症予防

 やはり血球が上がってこない長ーい期間を抵抗力のない無防備な状態で過ごすため、
感染症にもよーく注意して治療中は常に清潔を保たなければならない。


   Next

G退院

 おおよそ移植後100日を目標に退院する。この日数は人それぞれ。


   Next


H通院

 退院してからは、内服薬によってその状態の経過をみて2・3週間に一度外来受診に通院しマルクを受けて、寛解状態が続いているかを調べる。骨髄内の芽球(ブラスト)が4%以上になったら要注意。5%以上で再発。

 この間隔は治療経過が進むにつれて長くなる。


   Next


I治癒

 まず移植後2年を経過すると再発率はグンと下がる。
 そして、
 5年が経過してはじめて完全治癒と判断ができる。


ページTOPへ





1-3 無菌室


 化学療法や造血幹細胞移植(さい帯血移植)の治療の際にどうしてもかかせない設備が無菌室・クリーンルームである。

 このクリーンルームでは、名前のとおりとても清潔に保たれている部屋でそこでは24時間キレイな空気が流れている。クリーンルームには何種類かあって、個室にアイソレーターを備え付けただけの簡易無菌室、病棟ごとがクリーンになっていて化学療法や移植後の維持治療が行われる準無菌室、そして移植が行われる最も徹底されている最高ランクの無菌室、とだいだいその3つがある。



なんでクリーン?(゜ д ゜ )

 治療として抗がん剤などを使用して白血病細胞をやっつけるんだけど、その時一緒に患者さんの正常な血球もやっつけてしまって、白血球・赤血球・血小板が著しく減ってしまう。
 白血球が減ると、空気中に存在する細菌や微生物に対する抵抗力がなくなるため感染症にかかりやすい状態になってしまう。

  ↓↓このため

 血球が自力で回復してくるまでの間、
清潔なクリーンルームの中で生活をしなければならない。




部屋の環境

 ・簡易無菌室の場合
 ふつう移植設備のない施設で多く見られる。クリーンルーム対応の個室で大型のアイソレーターを持ち込んでベッドの頭に設置してある。部屋の入口はビニールで囲まれていて外からの空気が入ってこないように工夫されている。面会は家族のみで手洗いとマスクの着用が義務付けられている。
 部屋の中にはウォシュレット付きの稼動式携帯トイレがあり、入浴はできない。


 ・準無菌室の場合
 個室から4人部屋まであって部屋の天井などにアイソレーターが設置してあり常時稼動している。部屋の隅々から病棟の廊下までがキレイで、面会に家族などが来る場合はマスクの着用・手のアルコール殺菌消毒が必要。
 病棟内にはお風呂・トイレ・洗面所・トレーニング器具などが設置してあり通常の生活をするには支障はない。


 ・移植用無菌室の場合
 準クリーンルームのある病棟からさらに高レベルの無菌室が頑丈な扉の向こうにある。
 通常その中に入れるのは、患者さんと、主治医、担当看護士のみで、家族も一切入室できない。面会は、クリーン病棟からつながている通路を通ってガラス窓を隔てて無菌室の様子が見える通路にて、備え付けの電話での会話だけが認められている。(←やっつぁんが受けた病院では)
 中には、ベッド・トイレ・テレビ・壁一面に組み込まれたアイソレーター



 入室

 世界中でももっとも菌のいない環境に入るわけだからその部屋に入るにはそれなりの処置やルールに従わないとダメ!(´ Д ` ; )ヤッ!

●薬浴

 クリーンルームに入る前に身体についた細菌をきれいにするために消毒液のお風呂に入らないといけない。
 まず、全身にイソジンを塗りたくる。全身が茶色くなったころでドライヤーで乾かして菌を持ち込まないように殺菌をする。そして、クリーンルーム専用のお風呂に入り、消毒薬で全身をしっかり洗い流す。鼻や耳も消毒薬の染みこんだ綿棒で掃除する。
 全身が洗い終わったら、10分間お湯につかる。上がった後も滅菌したタオルを使用して体を拭いてから、さらに滅菌したパジャマを着てクリーンルームへ入室する。


●持ち込み

 中に持ち込む物は制限されており、全て滅菌させられる。

 ガス滅菌(歯ブラシ・ストロー・筆記用具・書物・生理用品など)
 蒸気滅菌(下着・綿の衣類・紙コップ・ティッシュペーパー、雑誌)
 ホルマリン消毒(電気カミソリ・パソコン・電化製品・CD・テープなど)

 CDやパソコンが消毒されて本当に無事に戻ってくるかが心配。。。(・ε・;)


●手洗い・うがい

 無菌室生活で基本中の基本!!
 手洗いは設置してある泡状せっけんで丁寧によく洗い、水でしっかり洗い流す。
 うがいは1日5回以上が日課(朝食前・昼食前・15時・夕食前・就寝前)


●食事(低菌食)と腸内殺菌 

 食事制限が一番重要なポイント!
 移植に向けて腸内の細菌を減らしていくために、細菌の少ない食事(低菌食)が始まる。

 食べちゃダメ(@ ε  @ )

・生肉、生魚(お寿司など)
・ドライフルーツ
・発酵食品(ヨーグルト、生味噌類)
・沸騰したお湯で煎じていない漢方薬
・カビを含んでいるチーズ
・減塩梅干
・グレープフルーツジュース
・漬物
・調理後2時間以上経った食品
・期限切れのすべての食品
・ペットボトル飲料(缶ならOK)


 低菌食が始まるのと同時に、腸内殺菌の薬を服用する。この2つで体の中にも菌のいない状態をつくる。


ページTOPへ





1-4 前処置


 造血幹細胞がどうして治療効果の強いのかというワケが2つある。
 一つはドナーの造血幹細胞(骨髄液・さい帯血)が白血病細胞を敵とみなして随時攻撃してくれるから。
 もう一つが、通常の化学療法の何倍ものチカラで抗がん剤や放射線治療で骨髄を徹底的に叩いてスッカラカンにするから。この移植前にする処置を前処置という。



●抗がん剤

ほぼ致死量に相当な抗がん剤を投与する。
患者さんによって投与する薬の種類や量は違ってくるが基本的にはコレらが主流。

エンドキサン、キロサイド、フルダラビン、ATG、ラステッド、ブスルファン など


エンドキサン
副作用としてよく出血性膀胱炎をおこすことがある。
脈が早くなり心臓に作用する。水がたまりやすくなって、むくみが出る。

出血性膀胱炎
エンドキサンの副作用で症状が出ることがたびたびあるため、予防として膀胱かん流を措置することがある。膀胱かん流とは尿道カテーテルのこと。おしっこの出る先から管を通して尿の排出をスムーズにさせる処置のこと。。。やっつぁんはこれをやります(t □ t ;)ヤダヤダ!

キロサイド
粘膜障害が起こりやすい。予防のために目薬の点眼を多くする。ノドなどの粘膜もうがいなどによって清潔に保つ。



●放射線照射(TBI)

放射線を全身にあてて、患者さん自身の骨髄をからっぽにするための一つの方法。

 TBIの照射量は、12ガロンが通常。(人が一生の間に浴びる量がおよそ0.2ガロン←約60倍!!)
 1回につき1時間半から2時間くらい時間をかけてやるために、聞きたいCDがあったら持って行って聞くことができる♪

 副作用として、身体のほてり感、吐き気、耳下腺痛 などがある。


ページTOPへ





1-5 生着と拒絶


 生着とは、からっぽになった患者さんの骨髄にドナーの新しい造血幹細胞(骨髄液・さい帯血)が根付くことを言う。


生着の判断

@ 移植後、生着した目印として生着熱というものが出ることがよくある。
 しかし、荒しい前処置のせいで発熱を起こすことが多いのでこの生着熱はほとんどの場合がわからない。


A 白血球の一種である好中球の増加によっても生着が認められる。
 好中球が(500/μl)まで回復すると準クリーンルームへの転室ができる♪
 この値に達するまでの平均日数が、さい帯血移植では 24日 となっている(←11〜219日の中央値)


 ちなみに他の移植方法の平均日数(中央値)は下のとおり。

自己骨髄移植         23日
血縁者間骨髄移植    21,5日
非血縁者間骨髄移植     19日
自己末梢血幹細胞移植   11日


 見てのとおり、さい帯血移植が生着までの日数が一番かかる。




拒絶

 移植後、ドナーの造血幹細胞が患者さんの骨髄にうまく着かずに血球が回復してこないこと。


 さい帯血移植のデメリットとして生着不全、いわゆる拒絶されてしまうリスクが他の移植と比べても高いことが挙げられる。
 さい帯血移植では、およそ 20±3,0 %の確率で、拒絶が起こってしまう。

対処法として、すぐに新しいさい帯血を確保して再度移植をするなどの処置が施される。


  こんな風にいろんな対処を行われる結果 


 さい帯血移植後42日目の好中球回復は88.1%の患者さんに認められている。



 このようにさい帯血移植では血球が上がってくるのが遅いため、感染症が一番の大敵となってくる!!


ページTOPへ





1-6 白血球と血小板


移植の際には血球がなくなるため、抵抗力や出血を止めるチカラはゼロになる。
戦闘力はほぼないようなもの!
とにかくこの状態でバイ菌に触れたり、頭を柱にぶつけたりしたら致命的なことになる。

白血球と血小板はそんな細菌や微生物と闘って身を守ったり、打撃攻撃を受けた際の回復の役割を担っている。



白血球の回復

白血球についてはは1-5で説明したとおりなので同じことを書くね。

 移植後、白血球の回復の目安は白血球の一種である好中球によって判断する。
 好中球が(500/μl)まで回復すると準クリーンルームへの転室ができる♪
 この値に達するまでの平均日数が、さい帯血移植では 24日となっている(←11〜219日の中央値)

 ちなみに他の移植方法の平均日数(中央値)は下のとおり。

自己骨髄移植         23日
血縁者間骨髄移植    21,5日
非血縁者間骨髄移植     19日
自己末梢血幹細胞移植   11日


 見てのとおり、さい帯血移植がもっとも生着までの日数がかかる。



血小板の回復

血小板の回復は、好中球(白血球)の回復と比較しても 明らかに遅い。

回復の基準として、血小板数(50,000/μl)という数字がある。
この値に達するまでの平均日数が、さい帯血移植では 47日となっている(←10〜962日の中央値)

 ちなみに他の移植方法の平均日数(中央値)は下のとおり。

自己骨髄移植         33日
血縁者間骨髄移植      27日
非血縁者間骨髄移植     20日
自己末梢血幹細胞移植   10日

                          『白血病と言われたら』 全国骨髄バンク推進連絡協議会 より

 やっぱり血小板の回復も他の移植と比べてダントツに遅いことがわかる。



以上のとおりに

さい帯血移植を行うと、ものすごい順調な患者さんで3週間くらいで準クリーンルームに出てきて、2ヶ月ほどで人並みの血球が回復することがわかる。

そして、退院の目標は100日である!!



ページTOPへ





1-7 GVHD


さい帯血移植では重篤な拒絶反応、GVHD(移植片対宿主病)が出にくい。
これは他の移植と比べてもダントツのメリットとなっている。



HLAの一致

 さい帯血移植は HLAが1,2座違っていたとしても移植ができるというメリッがある。
 そもそもなぜ移植をする際においてHLAを一致させないとダメなのかというと、移植する細胞のHLAが違うと生着しない可能性が高く、たとえ正着したとしても重篤な拒絶反応が出て患者さんの身体に致命的なダメージを与えてしまうからである。
 さい帯血移植ではHLAが多少違っても移植後の成績とは特に関係はなく、HLAの一致率は重要ではない。どちらかと言えば移植する造血幹細胞数の多さが移植成績の決め手となってくる。


GVHD

 移植後、一番のリスクはこの拒絶反応とされているGVHDである。
 骨髄移植の場合HLAが異なれば異なるほど激しくこの症状が出て、場合によっては患者さんの命をおびやかす恐れがあるんやなぁ。。。

 なんと、さい帯血移植はこの拒絶反応が出にくいとされている移植法!!


 統計で見てみると
 さい帯血移植のV以上の急性GVHD(T〜Wまである)の出る確率が見ての通り♪


           『白血病と言われたら』 全国骨髄バンク推進連絡協議会 より
 HLA一致率  移植数 
 人(率)
 V度以上の急性GVHD 
     人(率)
  慢性GVHD 
   人(率)
   拒  絶
   人(率)
5〜6座一致   312    38(12.2%)  40(12.9%)  63(20.3%)
4座一致以下   165    20(12.1%)  19(11.5%)  30(18.2%)


きついGVHDはおよそ12%程度の患者さんに出てるってことがわかる。
これを他の移植と比べてみると
    ↓ ↓

血縁者間骨髄移植      47%
非血縁者間骨髄移植     55〜75%
自己骨髄移植         なし(GVHDは出ない)



明らかに発症率が低いことがわかる。



ただし、GVHDが少ないというメリットがあるかわりに、白血病細胞をやっつけるチカラ(GVL効果)も弱いというデメリットもある。(´ − ` )イイトコモワルイトコモアルンヤネ




〔追記〕

 このGVHDは薬によってある程度はコントロールすることができる。

 そこで活躍するのが 免疫抑制剤!!
 代表的な2つがコレ↓↓

 プログラフ   ネオラール 


 プログラフは、昔からいろんな疾患に対して使用されてきており、効果が強く、副作用もなかなかである。
 一方 ネオラールは、わりと新しい薬らしくて、プログラフよりも効果が弱く、副作用が少ない。

 このようにそれぞれの特徴を副作用の度合いや疾患・移植別に生かして使い分けている。


 ちなみに、さい帯血移植のようなGVHDの出にくい移植方法ではネオーラルを使用して移植後数十日が経つと免疫抑制剤をストップして、わざとGVHDを出してGVL効果を促すような治療方法もある。
 逆に、ハイリスクとされている3座不一致血縁間移植などではプログラフを大量に使用する場合もある。


どのようにGVHDをうまくコントロールするかが移植成績に大きく影響してくる。


ページTOPへ





1-8 感染症


さい帯血移植でかなり重要でとくに注意しないといけないのが感染症予防!!



 さい帯血は1-6 で説明したとおり、他の移植と比べて血球の立ち上がり、回復が遅い。
 このときに、感染する可能性のあるふつうの一般病棟で過ごすと大変なことになる!
 これが何を意味するかと例えて言うと、

 −30℃の世界で素っ裸で過ごすようなもの! (` Д ´ )


 なにも体に身につけずに極寒の地でいればたちまち凍えてしまう
 要するに 「無茶でかつ無防備」 ってこと!


 そこでたとえ無菌室のような環境であっても、抵抗力の全くない「無茶で無防備」な状態で血球の少ない期間を長い時間過ごすと、その期間が長ければ長いほど何かしらのウィルスや病気に感染してしまうリスクが高くなってしまうことになる。

 ↓ ↓

だからさい帯血移植では、感染症にかからないようによりいっそう気を付ける注意が必要となってくる!!



●感染症の種類

 敗血症、肺炎、CMV感染、EMV感染 など が挙げられる。

 とくにさい帯血移植では、CNV感染にたいしての免疫力が低いらしい。


 もっとも気を付けないとダメなのが、日本人の9割の人が感染していると言われている
 『サイトメガロウィルス』
 要注意ウィルス!!
 重症な肺炎やさまざまな合併症を引き起こすウィルス!!



●対策

 ・日々の手洗い・うがいを徹底する
 ・床に落ちたものは触らない
 ・あれこれ手で触らない
 ・とにかく清潔を保つ
 ・薬による予防       などなど...


 GVHDが少ないかわりに感染症には細心の注意を払う必要がある。


ページTOPへ





1-9 メリット&デメリット


簡単におさらいするかんじでさい帯血移植のメリット・デメリットをあげてみる。



●メリット

・GVHDが少ない
・HLAが1,2座不一致でも移植に問題ない
・緊急な治療が必要な時にすぐに対応できる
・白血病細胞をやっつけるチカラ(GVL効果)が期待できる
・前処置による抗ガン作用が強い
・費用が骨髄バンクよりもかからない
・海外より移植成績が良い
・採取時にドナーの負担がほとんどない




●デメリット

・移植後、血球が回復する期間が長い
・感染症の危険性が高い
・GVL効果が弱いため再発のリスクがある
・造血幹細胞数が少ないため生着しない恐れがある
・移植の歴史が浅いため成績例も少ない
・成人への適用はまだまだ試験的段階な治療法である
・どんな病気をもったさい帯血かは判断できない
・不妊になりやすい





 
このメリット・デメリットは、必ずしも患者さんの全員が全員同じように症状が出るわけではない。ひょっとしたら重篤なGVHDを引き起こす人もいれば、血球がすぐに回復する人もいる。
 だから、その時の患者さんの病気の症状や健康状態から判断して、より良い治療法を選べばいいってこと!!


 治療法の選択肢の一つとして
さい帯血移植はあり続け、新薬の発明や白血病のゲノムの解明によってこれからもより確実な治療法へと発展していくはず!( ^ ― ^ )



 続きは2ndへ 〜





ページのTOPへ行く

=3エッチラオッチラ!!
 top病院



さい帯血移植 
2 へと続く 
→ → →ただいま工事中。。。






2、移植のあれこれ

 2-1 気持ち
 2-2 金銭面
 2-3 行われる疾患の特徴
 2-4 他の移植法との比較
 2-5 問題点と課題
 2-6 ---
 2-7 。。。

HOME  体験記  Diary -現在-  BBS  リンク

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送